学生時代の恩師の思い出

オウムの麻原教祖含めて7名の死刑が執行されましたが、

今更ですか、という気持ちになるくらい、私も年をとったなあ。

オウム真理教が拡大してたころ、ちょうど大学に入って上京したばかりだった私。

同じく地方から上京していた友人が、大学の講義室の机に置かれていた

オウムの講座のビラを見て、

「一緒にいってみない？」

と誘ってきましたが、私は行かなかった。

その友人も興味本位だったようで、講座にいってきたものの、

勧誘とかされたらめんどくさい、と思って

名前や住所は嘘っぱちを書いてきたといってましたが、正解でしたね。

大学3年生の3月、新勧の準備やら、就活やら忙しくしていたころ、

母からの電話で朝からたたき起こされて、ＴＶをつけたら

「地下鉄で異臭騒ぎ、テロか！？」というニュースが流れてて

驚いたこともよく覚えています。

オウムに強制捜査が入り、実行犯含めて教団関係者が次々に逮捕されていきましたが、

私が当時住んでいたアパート近くにも教団の拠点があったみたいで

毎日、お巡りさんがうろうろしていたので

自分の近くにも住んでいたんだなあ、と背筋がひやっとしました。

その後、ある日、大学のゼミの先生が沈痛な表情で

逮捕された信者の中に教え子がいたんだよ・・・と告白なさいました。

ゼミは3年生と4年生で構成されており、

逮捕された方は私より、いくつか年が上でゼミでカブることはなかったので

先生に知らされて驚きました。、

先生は「おとなしい、真面目な青年だったと思う、それがどうしてあんなことに・・・」

と嘆いて胸を痛めておられました。

年に1度は必ず学生をご自宅に招いてごちそうしてくださったりするような

とてもやさしい先生でした。

「忘れないでほしい、人を傷つけたり、殺めたりするのは、いけないことだ。

彼がしたことは絶対許されないことだ。

教義や、他者に盲目的に従って、思考停止してはいけない」

と私たちゼミの学生を諭してらっしゃいました。

20年以上経った今でも、先生のお話で印象に残っているのはこの話。

彼の顔写真をテレビで久しぶりに見て、

先生のことを思い出しました。